市川 陽子 Yoko Ichikawa
市川陽子のつくる造形物は、動物の皮で器をつくり、漆を塗って硬化させる「漆皮−しっぴ」という技法でつくられている。その歴史は古く、飛鳥時代まで遡ることができるが、市川の漆皮は伝統技法から少し外れ、生皮でなく鞣した皮を使う。そして皮を漆で完全に覆わず、その質感を残している点が最大の魅力である。立体的な命を包んでいた皮膜は、鞣されて平面的な薄い皮となるが、それらは縫い合わせることで新たな立体となり、再び何かを内包する存在となる。その変容の過程こそが彼女の作品の核である。作品の外皮は漆の柔らかさと硬質さをまとい、内側には動物の命を包んでいた温度ある気配が残されている。
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プロフィール
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1985
大阪市生まれ
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2011
京都市立芸術大学 大学院修士課程 漆工 修了
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現在、京都市にて制作
主な個展
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2021
「Patchwork of life」 白紙 HAKUSHI (東京)
「繕い」 GARRELY crossing (岐阜) -
2020
「漆皮SHIPPI」 ギャラリーうつわノート (東京)
「市川陽子 漆皮展」 toripie KYOTO (京都) -
2019
「市川陽子 皮膚skin」 Graphpaper (東京)
「TRANSFORM-変容」 GARRELY crossing (岐阜)
主なグループ展・フェア
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2020
「青花の開|工芸祭2020」 GARRELY crossingより出展 (東京)
「POSSIBILITY」 二人展 MUTTE (岡山) -
2018
「いれもの」 二人展 GARRELY crossing (岐阜)
受賞
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2010
京都市立芸術大学 制作展 奨励賞