市川陽子

繕い

2021年06月19日(土) ー 07月04日(日)

市川陽子 2021 "漆皮箱"

市川陽子は、革に漆を塗って硬化させる「漆皮(しっぴ)」と呼ばれる古来からの工芸技法を読み解き、新たに独自の手法を重ねることで、独特の存在感ある作品を生み出している。 かつて命の容れ物であった立体物としての皮は、鞣され、平面の革となる。彼女はそれを切り取り、糸を使って縫い合わせ、漆を含ませることで再び何かの「容れ物」として蘇らせる。革の穴や傷跡など、それがまだ生き物であった時の痕跡を愛おしく活かす視点も、作品に独特の気配を与えている。「繕(つくろ)い」とは、何かを修復し、再び使える状態にするという意味の言葉だが、漆工芸の過去と現在を縫い繕い、新たな景色を生み出す彼女の行為は、漆という不思議な液体を媒体に、その存在をメタモルフォーゼさせている。単に欠損を埋めたり表面を飾るにとどまらない、本質的な繕いの行為と言えるだろう。 本展では市川の作品の中でもマスターピースといえる「箱」を中心に、彼女がこれまでのキャリアの中で重ねてきた試行錯誤を昇華した、力を帯びた作品をご覧いただける機会となるでしょう。ぜひ手にふれてご高覧ください。

GALLERY crossing 黒元 実紗

市川陽子 2021 "漆皮箱"
市川陽子 2021 "漆皮箱"
市川陽子 2021 "漆皮箱"
市川陽子 2021 "漆皮箱"
市川陽子 2021
市川陽子 2021

PROFILE

市川陽子
1985年 大阪生まれ。2011年 京都市立芸術大学大学院修士課程 漆工 修了。現在、京都を拠点に制作。GALLERY crossingでの過去の個展:2019年「TRANSFORM」

INFORMATION

市川陽子
繕い

2021年6月19日(土)- 7月4日(日)
13:00 - 18:00
休廊日:火曜定休
作家在廊日:6月19日(土)

今後の展覧会スケジュール

7月24日(土)~ 8月8日(日) 林 志保
8月28日(土)~ 9月12日(日) 笹川 健一
10月2日(土)~ 10月17日(日) 木下 令子