木下令子

潜像

2021年10月02日(土) − 10月17日(日)

木下令子「veil」 D45.0cm アクリル、サテン、パネル 2021

木下令子の個展「潜像」を開催いたします。本展は、木下が昨年春から新たに制作をはじめた布を支持体とした作品「Veil」シリーズを中心とした新作で構成されています。その制作活動の中で、一貫して「時間」を題材にし『うつろう時間の経過そのものを絵にすることはできるだろうか』という問いかけを続ける木下の作品には、慌ただしい日々の中で見過ごしてしまう些末な出来事の痕跡、記憶にも残らないようなあたりまえの一瞬を丁寧に掬い上げ、美しさへと昇華させる尊い眼差しを感じます。

いつか見た景色のようにも、何かの残像のようにも見えるこれらの作品は、一見「描かれていない」ようにも見えるが、確かに強い意志を持って「描かれている」。霧状の絵の具の数万、数億の粒子によって生み出される複雑なレイヤーは、木下が不可逆的なものと捉える刹那の重なりそのものである。その作品に対峙する私たちは、今目の前に「在る」ものは、かつてそこに「在った」ものへと続いているという、ごくあたりまえの真実に触れることで、自らが今ここに立っている事実を確認し、そしてかぎりなく続く時そのものに触れることができるような気がする。

GALLERY crossing 黒元 実紗

 

「 潜像 」

確かにそこにあったであろう真実。
確かに在ったと、まず私が最初に言おう。

潜像を見つめよう。
耳の奥で、時を数え、目を開こう。

木下令子

木下令子「日照時間-turn red -」 27.8×19.8 cm アクリル、印画紙 2021
木下令子「日照時間」 27.2×45.5×cm アクリル、印画紙 2021
木下令子「veil -edge-」 15.8×22.7cm アクリル、接着芯、綿布、パネル 2021
木下令子「juxaposition -日照時間-」 20.5×20.0cm アクリル、印画紙 2021

PROFILE

木下令子

1982 年熊本県生まれ。

2009年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。



皺、ひだ、折り目、感光、日焼けといった不可逆的な状態を纏った支持体に対し、描画用の筆ではなく塗装用のスプレーガンで絵具を霧状に吹きつける手法をかけ合わせ「うつろう時間の経過そのものを絵にすることはできるだろうか」という問いから制作後も変化を伴う作品や、支持体そのものの形状記憶を用いた作品を制作、発表している。

INFORMATION

木下令子
潜像

2021年10月2日(土)- 10月17日(日)
13:00 - 18:00
休廊日:火曜定休
作家在廊日:10月17日(日)

今後の展覧会スケジュール

10月30日(土)~ 11月14日(日) 稲富 淳輔
12月11日(土)〜12月26日(日) 打田 翠