林志保

好奇心

2019年09月07日(土) − 09月23日(月)

林 志保 2019, 壁掛け fusion 黒陶

ギャラリーという場所を訪れる一つの理由に「好奇心」がある。また、「好奇心」は人がものづくりをする原始的な衝動でもある。陶芸家・林志保の作品は、用に依らず、抽象的でありながら、その実、何を表すでもない − オブジェと呼ばれるようなものが多い。それは純粋に作家の好奇心の産物であり、空間におけるあそびのようなものなのだが、穴の空いたトーラスや、切断された立体を再構成し、そのズレによる違和感が空間に新たなリズムを生み出す造形は、私たちの空間に対する好奇心を掻き立てる。彼女の作品は、これまでもそうではあったが、昨今新たに取り組んでいる黒陶のブラックと窯変を纏い、一層コンテンポラリーな存在になった。平坦な壁にあそびを生み出す壁面作品や、自由な花あそびを誘う花器は、ギャラリーの白い空間だけでなく、和洋暮らしの空間にも意外なほどマッチするのも、彼女の作品が支持される魅力なのだろう。好奇心は人生を変える。ぜひ、最大限の好奇心を抱え、これらの存在を楽しんでいただきたいと思う。

GALLERY crossing 黒元 実紗

林 志保 2019, 壁掛け Untitled 黒陶 / 花器 torus
林 志保 2019, 壁掛けオブジェ 環の象 黒陶
林 志保 2019, 花器 torus

PROFILE

林 志保
1984年 兵庫県神戸市生まれ。2008年 京都市立芸術大学 工芸科漆工専攻 卒業。2014年 多治見市陶磁器意匠研究所修了。現在、岐阜県多治見市にて製作を行う。

INFORMATION

林 志保
好奇心

2019年9月7日(土)- 9月23日(月)
12:00 - 19:00(最終日17:00)
休廊日:火曜定休
作家在廊日:9月7日、8日