笹川健一
肌理 Texture
2020年04月11日(土) − 05月06日(水)

ガラスの肌理。(きめ:英語ではtexture)は、表面の細かいあや、手触り、質感などを表す言葉。肌理は対象物との距離に応じて感じ方が大きく変化する。その全景を眺める時には不可視な存在ながら、そのものの雰囲気を作り出し、近く寄って手に取る時にははっきりとその素材感となって現れる。いずれにしても、肌理は私たちがモノに惹かれる重要な要素のひとつである。笹川健一の作品は、実際に触れた時の指先が感じる「ガラスらしい滑らかな感触」と、視覚で感じるノイズのような「肌理」のギャップが魅力のひとつである。再生ガラスに金属などを調合することで作り出される独特のガラス生地と、作家の美意識を感じさせるグレートーンは、静かな存在でありながら、部屋に置かれたグラスの肌理が、空間の質感を左右するような強さがある。そこには、プロダクトデザイナーや建築家のように細部を組み立てるデザイン思考と、陶芸家が土を練り合わせて独自の表現を求めるような表現力が同居し、一つのグラスの中にバランスしている。透明なガラスという存在に、ノイズを与える「肌理」と、静寂を唄う詩的な気配の魅力。ぜひ手にとってご覧ください。
GALLERY crossing 黒元 実紗
PROFILE
笹川健一
1981 神奈川県生まれ
2004 多摩美術大学美術学部工芸学科ガラスプログラム 卒業
2006 多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程工芸専攻 修了
2006-08 財団法人金沢卯辰山工芸工房 研修生
2010-14 多摩美術大学工芸学科ガラスプログラム 助手
現在 京都府にて制作
INFORMATION
笹川健一
肌理 texture
2020年4月11日(土)- 5月6日(水)
12:00 - 18:00(最終日17:00)
休廊日:火曜定休
※新型コロナウイルス感染拡大により、4月18日よりギャラリーは休廊いたします。展覧会は5/6(水)まで、オンラインビューイングページにてお楽しみください。詳細はNEWSページをご覧ください。
今後の展覧会スケジュール
6月6日~ 6月21日 渡辺隆之
7月4日~ 7月19日 アラーナ・ウィルソン