アラーナ・ウィルソン

惑星、慈愛、そして絶間ない流れ

2020年07月23日(木) − 08月10日(月)

Alana Wilson "Planets, Mercies, & The Flow", 2020

主に陶をメディアに制作活動を行うオーストラリアのアーティスト、アラーナ・ウィルソンの個展を開催いたします。今回の展覧会は、2年前に彼女が来日し、弊廊で小さな展覧会を開いた時から繋がっている一本の線上にあるものです。この春、世界中を襲ったパンデミックにより、一度は延期(実質的な中止)が決定していましたが、アーティストの要望により内容を変更しての開催となりました。
この内容の変更は、非常に衝動的で、リアルタイムなアップデートです。彼女は、当初のスケジュールを変更し、あらかじめ考えていた展示作品に、ロックダウン中の思考を反映させた「今、表現すべき事項」を日本で発表するために、新たな作品を制作しています。

アラーナ・ウィルソンの作品は、非常にパーソナルな小さな点から出発し、何万年にも渡る人類の営み、栄枯盛衰の中で常に人の暮らしの側にある「器」という存在を通じたヒューマニズムへの問いかけへとつながります。

今回の展示作品は、パンデミック中の短い期間から現在の間までに、新たに作家の思考から生まれ出たものです。彼女はこの期間中に感じ、目にした様々な人間の道徳性やものの見方について、思考し、作品を通じて問いかけています。
すべてのものの中にある、深い美しさと光に気づく瞬間があること。そのために正しいマインドセットでものを眺める必要があること。この数ヶ月で、世界に対する人々の見方がどのように変わったか。ミクロな出来事に目をこらすことで見える大きな美しい光について。世界は全ての相互作用と関係性によりできています。それは絶えず流れの中にあり、変化し続けていますが、私たちは目をこらすことでその中にある”Halo”(光輪・オーラ・ハロー)を見ることができるということを、作品を通じて示しています。具体的にそれは、作品における釉薬表現 − 炎による色、フラッシュ、微妙なニュアンスの色領域などに関係しています。窯の中で起こる様々な事象により現れるそれらは、セラミックにおける”Halo”です。

展覧会は3つの作品群により構成されます。「Planets 惑星」と題された8つのボリュームある作品、「Mercies 慈愛」と題されるたくさんの小作品、そして映像作品「The Flow 絶え間ない流れ」。これらは相互に影響し合い、常に変化し続けるインスタレーションとともに展示されます。

GALLERY crossing 黒元 実紗

Photograph by Alana Wilson.

Alana Wilson "Planets, Mercies, & The Flow", 2020
Alana Wilson "Planets, Mercies, & The Flow", 2020
Alana Wilson "Planets, Mercies, & The Flow", 2020
Alana Wilson "Planets, Mercies, & The Flow", 2020
Alana Wilson "Planets, Mercies, & The Flow", 2020
Alana Wilson "Planets, Mercies, & The Flow", 2020

PROFILE

アラーナ・ウィルソン
オーストラリア出身。シドニーを拠点に活動する陶芸家。海底遺跡から発掘された壺のような質感と色調の陶器は、繰り返される実験的な釉薬と焼成による。古代の壺や器、考古学的なもの、海や水から強いインスピレーションを受けている。これまでに、豪州を中心に、アメリカ、イギリスでも作品を発表。日本での展覧会はGALLERY crossingでの2人展2018年「Ode」に続き、今回が初の個展となる。
www.alanawilson.com

INFORMATION

アラーナ・ウィルソン
惑星、慈愛、そして 絶間ない流れ

2020年7月23日(木)- 8月10日(月)
※当初のスケジュールより変更になっております
13:00 - 18:00
休廊日:火曜定休

今後の展覧会スケジュール

8月29日(土)~ 9月13日(日) 河合和美
10月10日(土)~ 10月24日(土) 池田優子
11月7日(土)~ 11月22日(日) 熊谷峻