熊谷峻
Vessels Brimming with Light. 光を湛える壺
2020年11月07日(土) − 11月22日(日)

祈り、その先にある光の景色。熊谷峻の作品は、蝋で作った形を石膏型に起こし、そこにガラスを溶かし入れる鋳造という手法で製作される。1000℃の窯の中で起こるガラスの対流や変化は陶芸の窯変のようなもので、コントロールできない想定外の部分に依るものがある。以前、作ることは祈るという行為に似ていると彼は言ったが、今展において、私が熊谷峻に求めたものは、すでに祈るばかりを通過し、表現としての強度を増すべく再構築するという行為である。祈りの先にある、意志ある光。そういった葛藤の果てに出てくるものを見てみたいと告げてから、新たに製作されたものを含め、熊谷峻の「今」を感じる展覧会。厚く流し込まれたガラスは光を溜めて、表面に焼き付けられた土や流し込まれた金属と重なりながら複雑な景色を作り出す。その姿は古代ガラスや廃墟を想わせると同時に、新たな光や希望を湛えている。初日は作家も秋田より在廊します。どうぞご高覧ください。
GALLERY crossing 黒元 実紗
うつわのかたちを作り、型の中の空洞にガラスを鋳込む。高温の世界の中で、ぽっかりとある空洞が溶けた硝子で満たされる。その現象に想いを馳せる。見たことのない景色で満たされ、そしてうつわに成る。その満たされる「喜び」のようなものをもっとかたちや構造で表現できるのではないかと、新しい作品に取り組んでいます。ぜひご高覧ください。
展示「Vessels Brimming with Light. 光を湛える壺」によせて − 熊谷 峻
PROFILE
熊谷 峻
1983年 秋田県生まれ。2006年 秋田でガラスを学ぶ。2012-2016年 富山ガラス工房所属。2017年 秋田に戻り制作を行う。ガラス鋳造の技法を展開させ、主に器や像を制作する。
INFORMATION
熊谷 峻
Vessels Brimming with Light. 光を湛える壺
2020年11月7日(土)- 11月22日(日)
13:00 - 18:00
休廊日:火曜定休
作家在廊日:11月7日(土)