小林夏美
Tempo
2023年04月08日(土) − 04月23日(日)
Natsumi Kobayashi, Grass and Water, 2023, Monoprint, 60.4×55.6cm
当ギャラリーでは初のご紹介となる作家・小林夏美の個展「Tempo」を開催いたします。
小林夏美の作品が示すのは 「眺める」という本質的な行為への回帰です。小林は遠くの水辺、足元にある草や石などをモチーフに心象にまで抽象化した風景を描き、遠 近、内 外を行き来する視点をひとつの画面に重ねることで「もの」でなく「眺めることそのもの」を描き出します。色彩を抑え、シンプルな線や面で構成された画面の静寂感は、観るものの視点を自然に引き入れる心地よさを持ちながら、対象物の本質を捉えた強さを引き立たせ、鑑賞者を作品との深い対話に引き込みます。そこには小林の「世界を眺めることそのもの」への深い洞察と、瑞々しい感動が込められています。
GALLERY crossing 黒元 実紗
形となって内から表に出てくるものをみていると
ひとつのテンポを得て現れてくる記号のように思える。
(ずっと遠くの水辺の草も、足元のなにものかの殻もやはり同じように
寄せては引くひとつのテンポを得てその単純なさまを打ち出してくれるようなのだ。)
小林 夏美
Natsumi Kobayashi, Grass and Water, 2023, Monoprint, 60.4×55.6cm
Natsumi Kobayashi, Shells, 2023, Monoprint, 38.4×51.9cm
Natsumi Kobayashi, Landscape, 2023, Monoprint, 38.4×51.9cm
Natsumi Kobayashi, Grass and Water, 2023, Monoprint, 60.4×55.6cm
PROFILE
小林夏美
1986年生まれ。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業。東京を拠点に、リトグラフを基にした版を用い版画制作を行う。自作の版は脆弱なため、作品のほとんどはモノプリントで、複製しない版画となる。
今後の展覧会スケジュール
6月3日(土)- 6月18日(日) 森本仁
7月8日(土)- 7月23日(日)市川陽子
8月5日(土)- 8月20日(日)Grace Mirams
GALLERY crossing “The Viewing Room”
Perspective
2023年03月04日(土) − 03月19日(日)
この度GALLERY crossing “The Viewing Room”の企画として、様々な視座を持つ作家を並列的にご紹介する展覧会「Perspective」を開催いたします。パースペクティブという言葉には“遠近法”という意味の他に、“視点・考え方”という意味を持ち、心理学・哲学の分野では《世界を認識する視点》という意味で用いられる言葉です。本展では、普段ギャラリーでご紹介している作家作品を中心に7名のアーティストによる作品を並列することで、それぞれに異なる視座を浮かび上がらせ、私たちの眺める視点の先を示唆することを試みます。メディア・表現領域を超え、それぞれのパースペクティブが交差する場で、個展とは違った魅力に触れていただければ幸いです。
GALLERY crossing 黒元 実紗
*展示作品のカタログをご希望の方はギャラリーまでメールをお送りください。
PROFILE
参加アーティスト
アラーナ・ウィルソン
山西杏奈
笹川健一
阿曽藍人
木下令子
渡辺隆之
田中良和
RELATED EVENT
◉アーティストトーク
2023年3月4日(土)
14:00〜 [予約不要]
笹川健一、阿曽藍人、渡辺隆之、田中良和
4名のアーティストによる作品解説とギャラリートークを開催します。作品を眺めながら立席にての気軽な会ですので、どなた様もお気軽に参加ください。
今後の展覧会スケジュール
4月8日(土)-4月23日(日)小林夏美
林亜希子
Unit
2023年02月04日(土) − 02月19日(日)
Akiko Hayashi "Unit" 2023
この度GALLERY crossingでは、ガラス作家・林亜希子の個展’Unit’を開催いたします。林亜希子は、岐阜県のグラススタジオ qualia-glassworksを主宰し、デザインから制作までのすべてを一人で行なっています。スタジオの名前でもある[クオリア]は、心の中で感じる[質]を表す脳科学用語に由来する言葉。彼女の目指す『ちょうどいい感じ』という感覚質に基づいて作られた作品は、手に取り、暮らしの中で使ってこそ実感できる実用の魅力を持っています。今回展示される新作は、『小さなピースをたくさん作ることで、ひとつの大きな作品を作るという考えに基づいている』というフラワーベースシリーズです。作品は、大きなユニットの中から、各々がピースを選び出し、小さなユニットを作る事を想定して制作されています。色や形を自由に組み合わせることで、多様な印象を生み出す柔軟さを持ちながら、ひとつの大きな作品として調和する’Unit’の景色に、林亜希子の求めるクオリアを感じることができるでしょう。会期中は、新作を中心に、照明やうつわなどの定番作品も幅広くご覧いただくことができます。どうぞご高覧ください。
GALLERY crossing 黒元 実紗
Akiko Hayashi "Unit" 2023
Akiko Hayashi "Unit" 2023
Akiko Hayashi "Unit" 2023
PROFILE
林亜希子
1997年〜2002年 大阪府大阪市 朝日硝子製作所勤務。
2002年〜2008年 大阪府和泉市 fresco勤務。
2010年より岐阜県美濃加茂市にガラス工房qualia-glassworksを構え、吹きガラスによる制作を行う。
今後の展覧会スケジュール
3月4日(土)- 3月19日(日) GALLERY crossing: The Viewing Room(グループ展)
4月8日(土)-4月23日(日)小林夏美